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ニッポン、カヤック釣り紀行 【沖縄・宮古島編】

2023.5.6 / 松本潤一郎 /カヤックフィッシング

10代の頃はオフロードバイクにテントとシュラフを積み込んで、日本のあちこちへと出かけに行った。

中学生から不登校児童であったので高校は通信制を選択し、レポート作成と最低限のスクーリングに顔を出しながら、いろいろな仕事を掛け持ちしてひたすらに旅費を貯める日々を送った。

 

はじめての仕事はペンキ屋。高校1年生、16歳であったが月に20万以上は稼いだ。

その資金を元にオートバイの中型免許を取得。

この頃は自転車で旅をする選択肢は無く、自由により遠くへ行く手段としてオートバイを選んだ。

中古のオフロードバイク KAWASAKI KLX250 を26万円くらいで買い、日本中を走りまわった。

(中古車価格を見て驚いた!めちゃくちゃ値上がりしていたので思わずリンクを張る https://www.goobike.com/maker-kawasaki/car-klx250/index.html)

 

1日に使うガソリン代と食費を同じくらいに切り詰めて、ほぼすべての旅程はテントを張って野宿をした。

若いころにそんな旅ばかりしていたので、今となってはわざわざ「キャンプへ行く」という行為があまりできなくなってしまった。

とはいえ、長いトレイルを旅する途中のキャンプ生活は最高に好き。

キャンプを旅の目的にできないだけで。

 

そんな清貧オートバイ旅をやっていると高額なフェリー代はおおきな負担となる。

「お金が減る」ということは「旅が短くなる」とイコールだから。

そのような理由で日本の中で唯一訪れたことの無い、ぽっかりとあいた空白地が沖縄だった。

 

 

コロナ禍で海外旅行へ出掛けれらなくなり、海に囲まれた日本を再認識するためにはじめた「ニッポン、カヤック釣り紀行」。

北海道には2回。四国琵琶湖などでカヤックを浮かべて釣り歩く旅を進める中で、ようやく沖縄行きが見えてきた。

 

選んだ島は宮古島。

ここにはいつも自分たちが使っているホビーカヤックで、カヤックフィッシングのガイドをやってくれるサービスがあるのを見つけていた。

やっぱり知らない海に浮かぶのならホビーカヤックに乗りたい。

 

当初はひとりで出かけて行く予定だったけれど、小学5年生に上がってから学校生活に折り合いがつけにくくなった長女のAcoyaもジョイン。

やっぱり、血は争えねぇか。

 

 

宮古島に到着するとまだ4月なのにムシっと来る暑さを感じた。東南アジアの空港のタラップで嗅ぐあの感触に近いやつ。

6歳の頃にネパールのアンナプルナサーキットを歩いたAcoyaは「ポカラにあったのと同じ木が生えている!」と、言った。

ネパールはヒマラヤがあるから寒い地域にあると思われているけど、緯度はちょうど宮古島くらい。

タクシー運転手のおじさんたちも皆まろやかで親切だし、観光地なのに気張っていない感じは、たしかにポカラに近い空気感がある。

 

 

到着した翌日、ホビーカヤックのガイドサービス「GA-ZU-MAN」のニカドリさんにガイドをお願いしてカヤックフィッシングへ。

天候は小雨が降ったり止んだりで風も少し強く、リーフエッジの先には出られなさそうという判断。

この日はリーフの中でキャスティングメインでやってみることにした。

 

 

漕ぎ出してすぐにポイントに到着。

リーフの中のサンゴの切れ目のミノーを通すとすぐにイシミーバイ(カンモンハタ)。

伊豆のフィールドからすると陸からのポイントが近くてうらやましい。

 

 

Acoyaもすぐにイシミーバイ。これくらいのサイズをポンポンと釣りあげている。

風が強かったので北海道のアメマス用に買ったスプーンが使いやすかったみたい。

自分はガーラを狙って少し大きめのミノーやトップを投げてみるも、出ず。

砂地で岩礁が混じるタマン(フエフキダイ)のポイントは不発で、イシミーバイと遊んでもらいこの日は終了。

 

 

海から上がって宮古そばを食べに定食屋へ。

「なかやすみ商店」

見た目よりもあっさりとしている鶏出汁ベースのそば。

 

 

翌日はさらに風が強くなる予報だったので休息日を取り、のんびりと過ごす。

オリオンビールとグルクンの唐揚げ。

グルクンも種類が多くてよくわからないけれど、尾赤アジとイサキの中間みたいな食感。

 

 

散歩中に見つけた鍾乳洞。

駐車場も看板も整備されていなく、畑の中の小さなか森の中に突然あらわれた。

 

 

成川井という雨水を取る場所だったらしい。

サンゴ礁が隆起してできた宮古島は山がほとんど無いため、水源の確保に苦労したみたい。

洞窟はそれほど深くはなく、湧き水が溜まる水場へと降りる階段が続いていた。

 

 

宮古島滞在の3日目。

場所を変えて島の南部から出艇。

この日は風も穏やかでリーフエッジまで出られそうというニカドリさんの判断。

陸を離れてから一気に沖を目指して漕ぎ進める。

 

10分ほど漕ぎ、水深2,3メートルのリーフから一気に20mほど落ち込んでいる場所に到着。

ブレード付きのテイルウォーク・YUMMY JIGを落としてみると1投目でガツンとロッドが引き込まれた。

 

 

40㎝を超えるタマン。

マダイの3倍引くと言われているらしいけれど、ほんとに力強い。

掛かりどころもあるかもしれないれど、トリプルフックが少し伸ばされていた。

タマンも60㎝を超えるやつがいるらしいので頑丈なシングルフックに換えておいた方が良いかもしれない。

 

 

娘もリーフの際からいろんな魚を釣り上げている。

ニジハタやフエダイ系も種類が多すぎて覚えきれない。

 

リーフの中でのカヤックフィッシングで気を付けなければならないのが、外洋からのうねりがリーフの際で崩れる波になること。

特に潮が下げていると時に釣りに没頭していると、知らない間に潮位が下がり、うねりが入ってくるタイミングで急に大きな波が立ち上がる。

外海に面したサンゴ礁の島ならではの現象なので注意深く観察しておいた方が良い。

 

 

エソも彩りがすごい…

この日は沖縄らしい色々な魚を釣り上げることができて満足。

残念ながら、今回はガーラを釣ることができなかったけれど日本の南の海を楽しむことができた。

 

快適に釣りをしたり、大きな魚を効率よく釣りたいのであれば遊漁船に乗るのがいちばん手っ取り早いかと思うけれど、

海との距離が近いカヤックフィッシングはやっぱり旅感が増すし、より深くその土地を体感できると思った。

日本のいろんな場所にこういったカヤックフィッシングのサービスが増えていったら良いな。

 

去年はオホーツク海の冷たい海がある知床半島でホッケを釣り、今回は3,000㎞近く離れた宮古島のあたたかな海に浮かぶ。

同じ日本の中の多様な水域を楽しむ旅をまだまだ続けて行こう。

 

今年の長期休暇は奄美の加計呂麻島で家族と過ごす計画でいる。

クルマのルーフキャリアにカヤックを積み鹿児島まで自走し、そこからフェリーを乗り継いで加計呂麻島まで片道1,700kmの旅。

奄美ではぜひガーラを釣りたい。

この記事を書いた人

松本潤一郎 junichiro matsumoto

株式会社 BASE TRES 代表
西伊豆の山を【まわす】BASE TRESのシャチョー。幼稚園を中退する輝かしい学歴からスタートし、中学はもちろん不登校。修学旅行の積立金を返してもらったお金でテントを買い、一人旅へ出掛けるようになり早々とメインストリームからドロップアウト。
17歳にはヒマラヤのトレイルを歩きはじめ、その後カラコルムやアンデスへ。南米大陸をオートバイで走りまわったあと西伊豆へ移住。ギターを弾いて飲み代を稼ぐのがライフワーク。

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