LODGE MONDO -聞土-

yai yai !!ヤイヤイ通信、日々更新中です

田舎暮らしのあそびじゅつ。うずめ、時々、垂乳根日記。

2020.5.28 / うずめの庭 /

こんにちは。

うずめです。

3月末より、新型コロナウィルスの感染拡大にともない約2ヶ月にわたって休業しておりましたロッジモンドも、

緊急事態宣言や地域の休業要請が解除され、

6月1日より営業再開をすることに致しました。

 

この2ヶ月間、西伊豆から出ない私たちの暮らしは、いつもと変わらないといえば変わらない日々でしたが、

「土地から出ない」という制約は、一方で「土地をより深く知る」ことをもたらしてくれました。

 

(この間、(ロッジモンドの駐車場ではシロツメクサが満開でミツバチが飛び交っていました。)

 

知る人ぞ知る?ロッジモンドNEO女将の私ですが、

1歳、3歳、5歳、7歳の4児の母でもある私が、

休校休園中の子どもたちと共に、

海山川という自然はもとより、何気ない近所の散歩道や野の草花というこの土地の豊かさと美しさに向き合い、

どう過ごし遊んできたかのささやかな記録を、

子連れで西伊豆を旅する人や、子連れで田舎暮らしを検討している方々の参考のためにも、

ここに記していこうと思います。

 

これまで、4児を世に生み出すにあたって、

自営業者の私には、産休も育休もほぼ無縁でした。

出産直前まで普通に仕事をしていたし、産後2ヶ月後にはまだ首の座らぬ乳飲み子を連れ働いてたので、

新種のウィルスの出現により休業を余儀なくされ、

「仕事は置いておいていい」という環境は、自ずと子どもたちとじっくり向き合う日々になり、

そんな暮らしは思いのほか新鮮で、人にも会わず、目の前の自然に子どもと一緒に放り出される時間は、

自然の偉大さと、そこで育まれ、自ら育つ子どもの力に触れる感動の連続でした。

 

 

西伊豆という海山川を有する贅沢な自然環境で育った私は、

東京の美術大学で学び、殊にも日本の原始時代、縄文時代の美術に傾倒していきました。

それゆえに、人間が生きるなかで生まれる美、というものがとても好きで、

生を豊かにする創造的なあそびが大好きです。

思いがけず生まれたこの余暇の時間は、思う存分あそぶことが許された時間。

そのあそびの種は、まさに私たちの目の前にたっくさん零れ落ちていました。

 

 

一歩散歩に飛び出せば、子どもたちはススキを集めだす。

「ホウキにしようと思って」

「じゃあ、せっかくなら君たちの机がきれいになる様に、可愛いホウキを作ろう!」

 

 

何気ないお散歩は、創造的な発見の宝庫。

子どもたちの嗅覚や意識のアンテナは感度良好で、次から次へと遊べるものを見つけてきます。

この季節は、水辺に近い道端にたくさんの真ん丸真っ赤なへびイチゴが。

 

 

子どもたちの成長にともない、長女次女についで3歳の長男までも採集の戦力になり、あっという間にたくさんの実が集まり、母感激。

 

 

お散歩時間がたっぷりある今年は、いくつもの群生地を発見し、飴玉ほどの大きな実が多く成る場所も見つけました。

 

 

西伊豆では、私が子供の頃から、どこの家庭にもヘビイチゴの焼酎付けが常備されており、虫刺されはもちろん、やけどに打ち身。

なーんでもヘビイチゴを塗って治しました。

蚊が飛びはじめる季節に、薬になるヘビイチゴが野に赤赤と実りだす。自然の摂理とはなんと偉大なのか、と改めて感動しました。

 

 

 

ある日は、お弁当箱を1つもって、「私たちの身近にどれだけ野の草花があるかな」と散歩に出かけました。

 

 

それぞれのお弁当に盛り付けて、凍らせてみたり。

 

 

いただきまーす!

 

 

 

また、ある日は、道端に咲くハルジオンを摘んで、草木染をすることに。

 

 

以前は、草木染が大好きで、お友達の親子と山で木の実を拾い、思い思いに服を染めたこともありました。

 

 

たっぷりのお湯でハルジオンを煮出していくと、煮汁はみるみると琥珀色に。

 

 

そこに、下処理をしたシーツを入れ、しばらく煮た後は、焼ミョウバンを溶かした媒染液に浸します。

すると、見事に鮮やかな黄色があらわれてきて、子どもたちも目が真ん丸。

 

 

柔らかな黄色に染め上がったシーツを干すと圧巻。

ざっくり輪ゴムでしばったところが柔らかい模様になりました。

子どもたちも、化学の不思議に驚き、自然の色の美しさにうっとりです。

 

 

早速、テーブルクロスに。

 

 

おやつにアップルクランブルを作り、季節のなでしこを飾って、お茶会のはじまりはじまり。

 

人生って本気のおままごと。おままごとを本気でやる!って凄く大事。

と、おやつを頬張りながら改めて気づきました。

 

自然界という大きなあそび場に自分も子どもも解き放つと、あそびはおのずと生まれ、

化学や家庭科や美術など教科の分断もない、生きるうえで必要な大きな学びがたくさんありました。

何かを形づくる素材は、お店屋さんの棚の上ではなく、身近な自然のなかで手を差し伸べてくれています。

年齢も違う4人の子どもたちは、この間、ほとんど人に会わず、

ただただ自然の中に出かけ、それぞれに違う意識や思考で何かを感じとり、心をふるわせ、好奇心や探求心をくすぐられているのがとてもよく実感できました。

自然界の脅威にさらされる日々に、一方で自然はどこまでも美しく強く、豊かな力を授けてくれる。

美しいものを美しいと感じられる喜びは、大人も子どもも心を満たし、これまでの壮絶カオスの4児育児から考えると、不思議にも穏やかで楽しい2ヶ月を過ごすことができました。

 

現代、いや、文明発祥以来の都市構造や社会システムの課題が浮き彫りにされた今回のコロナ禍を契機に、

自然豊かな田舎へ移住したいと考える人が増えたらいいなと願う日々です。

私もこの間、自然のなかでの学びや子どもの育つ力に感激し、

「もう子どもたちは学校に行かなくていいのでは?」とホームスクールについて調べたりしていましたが、

図らずもリモートワークやオンライン授業など、場を選ばない活動のあり方が目に見えてきた事実は、

これまでの田舎暮らしへのマイナスイメージを結構解消してくれるのでは?と期待しています。

まずは旅行でも。

西伊豆の豊かな自然とともにお待ちしております♡

 

 

最後に旬なあそびもおまけにご紹介してww

 

それでは、次編でまたお会いしましょう。

さよなら。さよなら。さよなら。

 

 

 

この記事を書いた人

うずめの庭 uzume no niwa

両親が松崎町生まれの生粋の西伊豆原人。但し、突然変異型。
東京の美大に通いながら、アングラ、身体表現、水墨画、縄文美術に傾倒するも、のっぴきならない理由で、二度と帰るまいと思っていた故郷・西伊豆へ帰還。原始時代への憧れから、田畑を耕す暮らしをはじめると、細胞レベルでこの土地のポテンシャルに気づく。
以後、「土着といふ前衛」をスローガンに、地域の自然資源を活用した創造的な子育て環境の充実を目指す運動や、地域の課題にアートを用いてアプローチする活動などを行っている。「くゑびこ」の商品開発や、宿の運営、イベントの企画などを担当する実に多忙な4児の母。

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