LODGE MONDO -聞土-

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自分たちなりに少しずつ、熱エネルギーの自給を目指そう。【ATOウッドボイラー導入しました。】

2022.3.17 / 松本潤一郎 /古道再生林業

ひとむかし前まで、伊豆半島はエネルギーの輸出国だった。

江戸時代から昭和のはじめにかけ、伊豆の山では木を伐り、炭を焼いて、江戸・東京に出荷していた。

それは伊豆に住む人たちの薪や炭のエネルギー自給をやったうえで、外の世界に輸出できるほど大規模な産業だった。いまでも、標高1000m近い伊豆半島の深部でも炭焼き窯の跡をたくさん見ることができる。

昭和30年くらいまで続いた炭焼き産業も、ガスや石油へのエネルギーシフトで年を追うごとに廃れていき、いまでは伊豆全体でも数えるほどの炭焼き窯が稼働しているだけになってしまっている。

鬼の首を切って旅する炭焼きの少年が主人公の漫画が(すみじろうと読んで子供に違うと怒られた)人気になっても炭焼き人を目指す若者は出てこないのだろうか….。

これからも、炭焼き少年が主人公の漫画なんて絶対に出てこないだろうから、林野庁とか林業団体がコラボやプロモーションやればいいのにねって思ってた。

見つけられたのは林野庁のこんなツイートだけだったよ。

 

 

宿泊施設のロッジモンドをはじめてそろそろ4年。

すでにコロナ禍の方が長くなってしまい、いまだに宿業ってなんなのかあんまりよくわかっていない気がする。

だけれど、宿泊施設をはじめてからずっと気になっていたのが、山に関わっているのにガスで沸かした風呂を提供していること。

施設の中には温泉パイプも引かれているけれど、結局のところ源泉から長い距離を引っ張て来ているので温度が下がってしまい、町の施設が石油を使って加温してる。

そんな温泉を提供する意義も見いだせないので、泊りに来てくれたゲストにはこちらの温泉を強くおすすめしてます。

 

 

僕たちのフェイバリット温泉ダントツNo1。

ぜひ行ってほしい。

 

伊豆の森の整備もし、山にかかわりながら暮らしているのなら、やっぱり薪で沸かした風呂を提供すべきだとずっと構想を練っていましたが、ようやく実現できたので今日はそのご報告。

導入したのはこのATOウッドボイラー

 

 

薪の自動投入などの高度なシステムは備わっていないけれどシンプルで壊れる箇所がほとんどなく、水道圧をそのまま送り込むのでポンプなどを使うことなく水圧があるシャワーにもまわせる構造。

燃焼室で薪を燃やして450リットルの貯湯タンクを温め、水道水を熱交換器を通すことによって給湯にまわせる仕組み。

熱交換器は最大3個入れられる業務用の中型サイズN-500NSBⅡ。

 

 

最初の火入れで10度以下を指していた水温計も、薪を燃やしはじめてから約1時間でこの温度まで上昇。1時間半で450リットルのタンクがぐつぐつと沸騰するまで温度が上がった。

ジャケット構造といって燃焼室の扉以外のすべてが水に覆われているので、熱効率がとても高く保温性にも優れている。

驚いたのが前の晩に焚いた薪の熾火の余熱で翌朝でも60~70度の温度をキープしていたこと。真冬の2月で外気温が一桁なのにこれは優秀!

翌朝でも熱いシャワーを浴びられるし、昼過ぎまで厨房の洗い物に快適な温度で給湯されます。

 

 

外観は無地塗装のトタンでちょっとSFチックに。

去年に不揃いな一枚板を組み合わせたウッドデッキを造ってもらった、あおやぎ工務店に今回も施工してもらいました。

 

 

 

ボイラー建屋の明かり取りには昔の漁具のガラスの浮きを入れてくれた。

カヤックフィッシングツアーで海にもかかわる自分たちにぴったりのアクセントで気に入ってます。

いつも良いアイデアをありがとう!

 

 

ほんと、21世紀になってこんな戦争が起きるとは思ってもいなかったけれど、ウクライナ情勢の煽りを日本も確実に受けることでしょう。

エネルギーの供給を海外に完全に依存しているの弱すぎるし、自立心を放り出していることと一緒なんだ。

すでにロシアからの天然ガスに頼っていたヨーロッパの国のガスの値段が爆騰しているらしく、一般家庭で6万~10万円のガス代が月々かかってるらしいよ。

 

 

このタイミングでウッドボイラーの薪エネルギーにシフトしたのは大正解。

いままで冬場のガス代が6万~7万くらいかかっていたけれど、料理でガスを使うだけになったのでガス代を1万円以下に落とせるかもしれない。

ちなみに、配管の都合で2階の個室にあるユニットバスはガス給湯のままです。

 

持続可能なエネルギーの利用をロッジモンドに泊まる皆さんにもお願いしたいのでぜひ1階の浴場を使ってください!!

 

さらに、このATOウッドボイラーを太陽光集熱器を組み合わせたハイブリッドシステムにしていく計画。

日中は太陽光で貯湯タンクをあらかじめ温め、夕方から薪の熱源にシフトチェンジ。

翌朝、太陽が出たら余熱がある貯湯タンクを大陽光が再び温めることができるので、無限∞のエネルギー自給ができるはず。

薪ボイラーと太陽光集熱器の連動が少し難しそうだけど、いろいろと実験しながら運用していこうと考えてます。

いまのところ熱交換器1機で給湯だけの利用ですが、2機目はヒートパネルを循環させた暖房エネルギーへと利用します。

 

宿泊する人に薪割りから火起こしをして風呂を沸かすプログラムもつくりました。

なんなら、山から木を伐り出すところからアテンドできますよ。

(モンドツアーのアクティビティプランも拡充したのでぜひ見てください)

 

ウッドボイラーの導入により、完全なオフグリットにはならないけどガスや電気の消費もかなり押さえられると思います。
目の前に「山」という資源があるのに使わないのって不自然だろう。

もともと江戸へ焼いた炭を供給していた伊豆半島はエネルギーを売る産油国みたいなもの。目の前に油田、あります。

熊本の母型のばあちゃんの家が薪風呂と太陽光集熱器のハイブリットシステムでした。
毎日、夕方になると火を熾して風呂を沸かすのが楽しみで仕方がなかった。
(火遊びが好きすぎて土手の枯草燃やしたら山火事になりかけたり、焚火の中に生竹を放り込んでひとり5秒ずつ耐えるロシアンルーレットとかめっちゃ楽しかった)
 
30年以上経って、いまやそのエネルギーの自給は最先端なものになってるのかも。
このウッドボイラーが来てから自立心が満たされてる感じがします。
 
そして震えたのが、このボイラーを製作しているATOって会社が名古屋市北区志賀町にあり、父型の名古屋のばあちゃんの家からわずか100mの場所にあるという!
 
これは、祖母たちの呪いなのかもしれない….。

この記事を書いた人

松本潤一郎 junichiro matsumoto

株式会社 BASE TRES 代表
西伊豆の山を【まわす】BASE TRESのシャチョー。幼稚園を中退する輝かしい学歴からスタートし、中学はもちろん不登校。修学旅行の積立金を返してもらったお金でテントを買い、一人旅へ出掛けるようになり早々とメインストリームからドロップアウト。
17歳にはヒマラヤのトレイルを歩きはじめ、その後カラコルムやアンデスへ。南米大陸をオートバイで走りまわったあと西伊豆へ移住。ギターを弾いて飲み代を稼ぐのがライフワーク。

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