伊豆山稜線を歩く【戸田峠―達磨山】
2018.10.5 / トレッキング /こんにちは、フリーライターのKajo(かほ)です。
一人でキャンプをする通称ソロキャンやトレッキングのコラムを書いたり、静岡県のローカルwebマガジンに寄稿をしたりしています。
趣味は野営においしいごはんを食べること、一人ストイックにヨガをする体育会系引きこもりです。
四国八十八ケ所巡りの霊場である高知県出身の父と、伊豆出身の母の間に育ちました。
以後お見知り置きを〜!
さて、第一回目の寄稿となる今回の記事ですが、”伊豆の山を駆け抜けた2日間について”。トレッキングコースのご紹介をします。
まずは こちら の動画をご覧いただけたらなと思います。
SOTOASOBI FILM AWARDで特別賞を取った動画、撮影地は伊豆の山。
ナレーション・出演をさせていただいてます。
時期は8月の終わり、8年ぶりに会う東京在住・メキシコ人の友人アドと、そのルームメイトだったというNY帰りの動画クリエイターSeigo Yokomine と3人でキャンプも兼ねてトレッキング撮影。
キャンプバージンも奪った
「コンテスト用に動画を撮りたい」という目的で伊豆に初来訪した彼ら、かく言う私は西伊豆のシュノーケルスポットの情報には強くとも、山情報にはめっぽう弱い。
どうしても良い画が、欲しい!
山男に助言をもらい「伊豆山稜線歩道」うち戸田峠―金冠山(816m)―達磨山(981.8m)のルートを選び歩き、且つ西伊豆・土肥・戸田の海岸線近辺の山に入り撮影を実施しました。
この近さ・・・!使用機材はGoProのみ
「伊豆山稜線歩道」と一言に言っても、ルートは様々。
伊豆半島の西側、戸田峠から天城越えまでの南北43kmに及ぶ稜線が続くうち、タイミングや気分でコースを選ぶことができます。
スタート地点は戸田峠。
バス停は「戸田峠」、車で行く場合は25台収容の無料駐車場があります。
修善寺・達磨山の標高は981.8m、熊笹の茂る小道が象徴的で、アセビ・イヌツゲが群生します。
木漏れ日が心地よい
達磨山の名の由来は、静岡県中部の由比・清水方面から見るとダルマさんのように見えるから、だそうです。
天城4兄弟の長男(①達磨山②万二郎③万三郎④長九郎)、別名で万太郎とも呼ばれています。
春には豆桜の薄紅と、アセビの白の可憐な花で染まるの。
宝永山の爆裂火口である突起が山体に隠れた達磨山から臨む富士山は、「富士は永遠の姿。いくら描いても完成しない。」と語ったという横山大観のお気に入り。
富士山と駿河湾を眺める360°のパノラマは、こんなに気軽に見れても良いの?と拍子抜けです。
だるま山レストハウスから臨む富士山
熊笹の茂る小道をひたすら進み、アセビの原生林を抜け、吹き抜ける風を気持ちよく肌に感じながら歩きます。
戸田峠からのルートだと、富士山を背に歩くけれど、見晴らしの良いひらけた場所からは戸田を見下ろし、とても気持ちが良かったです。
駿河湾の中に包括される戸田湾
西伊豆スカイライン付近は霧が立ち込め、なかなかに迫力のある風景に出会ったり。
達磨山頂上への道
「山には神さんが住んでいる」
と幼い頃から言われて育った私は、この達磨山の麓で幼少期を過ごしました。
父の釣り道具や素潜りの一式、登山用のアイゼンやロープに魚の図鑑、山の花図鑑が整然と並ぶ土間。
私が父と通ったのは、日本一深いとされる駿河湾を抱いた伊豆の海と土佐の海だけだったけれど、自然と向き合う姿勢は彼に教わって来たのだろうと思います。
陸の孤島、西伊豆のとある小さな集落で育ち培われた純粋な好奇心を、いつまでも忘れない大人でありたい。
生まれたての緑の香りや、人知れず身を揺らす花を触り、匂いをかぐという行為の神聖さ。
1人踏み締める大地に、山の生命が生み出す音。
どこか懐かしさを孕んだ伊豆の山の空気は、自身の生まれ育った地への帰属を、肌感覚で意識させます。
山ごとで表情が異なる、伊豆
伊豆山稜線歩道、私たちが歩いた道はほんの一部分、これから他のルートもご紹介していきます、乞うご期待!
快晴の日のトレッキングの行き先にオススメ、伊豆の山で感じる風を体感してみてくださいね。
【修善寺・達磨山の詳細】
東名高速道路沼津ICより60分
伊豆縦貫道 修善寺ICより20分
【駐車場】有り/無料/戸田峠orだるま山高原レストハウス
【今回のコース】だるま山レストハウス→金冠山→戸田峠→小達磨山→達磨山
【所要時間】
①だるま山レストハウス→達磨山:全行程往復2時間
【LOGHE MOND―聞土―からの行き方】
海岸線を通り、土肥から西伊豆バイパス修善寺経由で戸田峠まで44km
片道車で1時間
【参考サイト】伊豆市観光ホームページ
写真:Adrian /動画:Seigo Yokomine
この記事を書いた人
重度の放浪癖有り、スペイン滞在をはじめとする海外経験は延べ20カ国。食中毒に4回当たるもめげぬ真性マゾの精神力と、「アルゼンチンは近い」と言い切る程のフットワークの軽さが売り。直感と好奇心をもとに、純粋に観察し大胆に発信をする。人見知りを克服したい海の民でありキャンパー。○Español /English