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観光客とローカルの接着点になる。奥深き松崎町の案内人「島ちゃん人力車」

2019.1.19 / 街歩き / ちゃやみなみ

ちゃやみなみです。

年始にモンドにいきますと、スタッフうずめの庭から「最近人力車を始めた移住者がいるらしい」との声が聞こえてきまして。松崎の人力車がどんなものなのか、実際に体験してきました!

伊豆新聞にもこんな記事が。「人力車、あす7年ぶり復活 移住の島川さん―松崎(2018年11月30日)

人力車って、京都、浅草、鎌倉なんかで見かけて、THE観光を楽しむための乗り物というか、ちょっと怖いイメージありませんか?
人通りの多いところで声をかけられ、キャッチに捕まるような、断るのにもちょっとパワーが要る・・・その様子が嫌で私は避けてきた身でした。

さて松崎の人力車はどんなものかというと・・・?

ゆったりとした時間と風景。歴史と現実を行ったり来たりしながら人力車が街を走り、観光客とローカルの接着点になる。
そして島ちゃん人力車がやってくるのを街の人々が日々楽しみにしている様子を目の当たりにしたのでした。

 

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集合場所は、明治時代の呉服商店を保存した「明治商家 中瀬邸」。

人力車のある風景が似合う場所です。

そしてこちらが約7年ぶりに松崎町の人力車を復活させた島川誠さん。愛称は「島ちゃん」!

東京から移住して半年、2018年12月から人力車を始めたんだそう。取材当時ではまだ営業を始めてから1ヶ月ちょっと。

どうして東京から移住して人力車を始めたのか?そのお話もすごく面白いんですが、今回は体験レポートということでまた別の機会に。

看板にプランが書かれています。基本的にはこの看板が出ていれば営業中、もしくは街で流しているところに出会ったら声をかければ予約できるそうですw(人力車の流しってすごい、、)

街にある名所を巡ったり、お土産物屋で止まったり、お客様の要望に合わせて街の楽しみ方を色々な角度から教えてくれます。

はじめに「お時間過ぎてしまうこともありますが、大丈夫ですか?」と確認するのがお決まりだそう。街にまつわる色々なことを話しているうちにだいたい時間の枠を過ぎてしまうそうです。なんて大盛りサービス!

なので、基本的に予約は午前1本、午後1本の合計2組です。

今回は30分コースをオーダーします!1人2000円、サポータートシヲはマウンテンバイクで並走していきますw

きゅっと手ぬぐいをかぶり仕事モードに変身!

松崎町で大切に保管されていた人力車を乗り場にセッティングしてくれ、

それではいざ、出発ー!

ちなみに車輪の間から見える木製の台は人力車に乗るための踏み台。乗り降りするたびに足元に出してくれるんですが、普段そんなことされる場が無いもんで、恥ずかしさと申し訳無さが入り混じって挙動不審になりながら乗せてもらいました。そしてこの椅子の収納方法も気になる。こういう何気ないミニマルな収納方法に日本らしさを感じますな〜。

人力車の上から見る風景は、いつもよりも少し目線が高くて新鮮です。

人の背中も少し上から見る形になります。

人力車を引く人を俥夫(しゃふ)と呼びますが、俥夫が来ている法被には「俥(くるま)」という文字に「屋さん」で「くるま屋さん」という文字が書かれています。
にんべんに車と書く「俥(くるま・しゃ)」という文字は、これ一文字で人力車を表すのだそう。中国にも違う意味の同じ漢字があるそうですが、日本では人力車を指して独自に生み出したものだそうです。

さて、そうこうしているうちに約20m進みまして(短)、さっそく1つ目のチェックポイント、桑茶をつくる「くわや」さんに到着。こんなふうに各スポットで立ち止まってお店の話や地元にまつわる色々なことを教えてくれます。

止まっていると、人力車を見たお店の方たちがゾロゾロ出てくる!そしてそれぞれが島ちゃんに声をかけていきます。

「はいご苦労さん〜!」と、くわやのお父さん登場!

こちらでは桑の葉っぱを使ったお茶を販売しています。

ポンカンと桑の葉にオリゴ糖を入れてスムージーにするのが島ちゃんのマイブームだそうw

数m先にあるお店から「おはようございます〜!」と元気な声が!

私も何度かランチでお世話になっているこちらのお店「蔵ら(くらら)」。
地域を盛り上げようということで、みんなででお金を出し合って作ったお店だそうです。

 

というか仕掛けてるんじゃないか!?ってくらい街の人が現れますw

走っている最中もあらゆる角度からの刺客に休むことなく手を振り返事をする島ちゃん。

なまこ壁通りのことはだいたい知っているぞ!ばっちこい!と思っていたら知らない話満載でしたすみませんでした。

なまこ壁は、西伊豆の強い西風で飛び火しないよう防火のために発展した壁塗りの様式で、瓦と漆喰を使った結構高価なものでした。

こちらのお家は薬学医である近藤平三郎の生家。現在も人が住んでいて、このなまこ壁を町と一緒に管理、補修しているそうです。

このでっぱり、なんのためにあるか知っていますか?釘が屋根の方まで等間隔で付いているんです。

正解は、漆喰の補修用の足場を設置するため。昔から高価だったなまこ壁は、はじめから補修を前提として設計されているのでした。

先人の知恵尊敬です。。

途中でトシヲがどうしても人力車を引いてみたいというので、しょうがないから引いてもらいました。

トシヲからコメントが届いています。

「思ってたバランスと違って、引くのは軽い!逆に人の重さで後ろにバーを持っていかれるのを抑える腕の力が必要。1日2組じゃなくても行けるんじゃないですか?笑」

・・・偉そうやなー!

ルートも後半に差し掛かり、街の中を走っているとなにやら賑やかな声が。

うずめの庭を含むアート女子たちが、お豆腐屋さんの跡地にて「松崎町「絲」concept」の会合を行っていました。手に持っているのはアートプロジェクト「編みぐるみ」の一部。次回は伊豆文邸を編みぐるむ目論見らしい!

彼女たちの活動も注目です。

なまこ壁通りにある和菓子屋が気になってしまい途中止まってもらいました。

お店はこちらの記事でも紹介しています!10種のどら焼きを食べ比べ!アグレッシブ系御菓子処「甘泉堂」

街中を通過し海に出て、地域に根づく季節のイベントごとも横目にはしりながら

海沿いから街中に戻り、漆喰が用いられた那珂川にかかるときわ大橋を渡って今回のコース終了となりました!

最後に人力車の後ろに吊るしてあった近所の農家さんのポンカン100円を買ってお土産に。

その他にも、お寺の中にある漆喰でできた天竜図の解説や、実際に見学できる場所の紹介、その由来や人物など、ここには書ききれないほどの情報を教えてくれました。

いつのまにか、当初描いていた人力車のイメージはすっかり払拭され、どっぷりと島ちゃんワールドにハマってしまいました。

人を運ぶだけでなく、観光案内として機能する島ちゃん人力車。松崎に来てまず島ちゃん人力車に乗ってみれば松崎をどうやって楽しんだらいいか?その糸口が見つかると思います。もちろん松崎に何度か来たことのある方でも、新しい視点&ディープな松崎町を見つけられるはず。

そして島ちゃんの持つ街の人とのネットワークも含めて是非体験してみてください!
まじで仕組まれてるみたいに出てくるからw

島ちゃんは松崎に移住してまだ約半年。これからの活躍にも期待です!

島ちゃん人力車

お問い合わせ

島川さん
携帯電話 090-7705-0768

この記事を書いた人

ちゃやみなみ minami chaya

神奈川県相模原市出身。東京で自転車イベントの企画制作会社を歴て結婚を機に下田に移住。現在は群馬県みなかみ町在住。 フリーのデザイナー、兼各地の賑やかし担当。 無駄を愛し、無駄を作り、無駄で世界を満たしたい。 日本パイ投げ協会パイ長。毎月8日は餃子の日。

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