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竹取物語 (後編)

2022.11.20 / michi /

前編に書かせていただいた、キャラバンいっぱいの竹たち。

現地では、荷台の長さに合うようにカットしたのみで持ち帰りました。

 

さてさて。

植樹ポットに関しては青竹を一節の長さに合わせて切り、

ドリルで底と側面ぐるりに水抜きの穴を数個づつ開けました。

こちらは乾燥させながら、どんぐりの芽生えを待つとしましょう。

 

燃料にする竹たち。こちらはちょいとひと手間必要でしょう。

というのも、いくら蓋のしまるウッドボイラーとはいえ、

バンバンと破裂させて爆竹祭りにするわけにはいきません。

ご近所への配慮もありますがこのまま突っ込んでは、

追加投入で蓋を開ける度がロシアンルーレット祭りです。

 

すべてを割るか、せめて亀裂を入れて燃やさなくては。

 

枯れて数年経つであろう竹に関しては踏めば割れるモノもあるくらいで、

鉈で「竹を割ったよう」とはこのことか体験も味わえるのですが…

 

まだ枯れて間もない黄色味がかったようないわゆる竹ぼうきカラーのもの、

ましてや今日倒した青竹なんぞにいたっては、

割れない!!いや、割りにくいー!!

 

横着心に突き動かされ敷地に並べてその上から、

2トンはあるでしょう献身キャラバンで踏んでみたりもしましたが、

大半は割れない。竹ツヨシ。

 

たとえば薪の場合、斧がある程度食い込むと途中で圧に耐え切れなくなった木材が左右に弾け飛んでいくところ。

ところが竹では、繊維に沿って鉈を食い込ませていってもその異常なまでのしなやかさで最後の最後まで割れないのです。

半割にするだけにしてもこの量では。これは参ったなと肩で息をしている僕にヘイマンからナイスアイデアが。

 

「亀裂さえ入れば問題ないのだから、てこの原理使ったスクイーザー?のようなの作れないですかねー」

 

なるほど、くるみ割りとか、グレープフルーツ絞るとかあんな感じね…

 

単管パイプをクランプで組み合わせ、作りましたよ。

使ってみると、鉈や斧方式よりはずっと早く楽。

しかし、2メートル位の単管の先端に全体重を乗せて1本づつがやっと。

しかもボイラーの奥行に合わせ1メートル位に竹を切り揃えていたので、

少なくと端々2か所に加圧しなければ全体に亀裂を入れることはできませんでした。

タケ強し。

 

それを見かねた代表松本氏、

 

「竹割器買おう」

 

ありがとうございます。

 

ということで、下準備には課題を残したものの、燃料としてのポテンシャルやいかに。

量でいうと軽く2抱えくらい、重さでいうなら5㎏に満たない竹をボイラーに投入。

油を含むとの前評判通り着火後すぐに燃え広がり、大きな炎を作ります。

青さを残す竹でさえ、木口から水分を噴きながらでもどんどん燃えていきます。

やはり、燃料としての木材とは違うようです。

ボイラー内の約500ℓのお湯を、ものの15分程で50℃から80℃まで引き上げました。

これは木材なら針葉樹でも30分位、広葉樹ならもっと時間を要するところです。

 

が、ゆえに諸刃の剣かもしれないと発覚。

ボイラーの空気取り込み口からはまるでターボチャージャーのような吸気音と、

ときおりバックファイヤーらしきものが見られ、

「今、開けたらバックドラフト現象起きそう!!」

そんな攻撃的燃焼力ゆえ、うっかり最初から釜内びっちりに竹を詰めなくて良かったーとなりました。

 

竹だけで燃やすのではなく、

針葉樹と組み合わせて初速の立ち上がりにまさしくターボとして使い、

巡行運転の広葉樹のへとつなぐのがベストっぽいねと。

 

というのも持続力は全くなく、30℃温度を急激に引き上げてくれた竹ちゃんでしたが、

30分後には文字通りすべて灰になっておりました。

 

以上、薪活ならぬ竹活報告でした。

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