ニッポン、カヤック釣り紀行【知床半島・北海道編】
2021.8.2 / /カヤックフィッシング鉛色の海にカヤックを浮かべる。
流氷がやって来る海だからと少し身構えていたが、思っていたよりも、水温は低くはなかった。
オホーツク海。
たぶん、自分が住む伊豆を基点に考えると、文化も自然環境も、日本国内では最も遠く、違った海域なのだろうと思う。
霧多布がある浜中町から知床半島のウトロへやって来た。
オホーツク海はなんだか、海水がトロっとしている気がする。
知床での拠点は素泊まりのシンプルな宿、いるかホテルに滞在した。
目の前が海で宿の駐車場から100メートルくらいにスロープもあり、カヤックを海に出す拠点としてはちょうど良い。
宿に到着するとすぐにカヤックの準備に取り掛かった。
移動中に雨に降られたせいなのか、ガーミンの魚探の調子が悪い。
GPSは作動しているけれど、どうやら振動子の接触が悪く、魚探の機能はまったく使えなかった。
それでもまずは海の様子を見に出掛けてみたく、穏やかな入り江から漕ぎ出してみる。
湾を出ると目の前にイルカの群れが現れる。
陸から数百メートル先にある潮目に沿ってジグを落としてみると、1投目から着底前にホッケがヒット。
魚探無しで海底変化を探ることもなく、このあと立て続けにホッケが釣れる。
着底させるとカジカ。
とにかく、驚くほどに魚影が濃い。
知床ほど魚がいる場所ってあるのかな?
着底させるとカジカが食って来てしまって中層にいるホッケが釣れない
ホッケはホッケでこれまた釣れまくってしまうので1時間も釣りできない(家族が食べる5本くらいキープするけどリリースするのもめんどくさい)
知床にいたら釣りやらなくなりそうだ… pic.twitter.com/j3Ds3IdwWv— 松本潤一郎 | ニッポン、カヤック釣り紀行🎣 (@junichiro_izu) July 13, 2021
翌日は長女のあこやを乗せて同じポイントで出てみたけれど、同じように入れ食い。
この日は魚探もちゃんと作動したけれど、潮目に沿ってホッケの群れが次々と回遊して来ている。
少し沖目の潮目にサクラマスがいないかと探しに行くものの、とにかくホッケ、ホッケ、ホッケ。
悲しいかな、こんなにも釣れるとすぐに飽きてしまう…
釣りとは、満たされていないくらいがちょうど良いみたいだ。
とても面白かったのが水温15度くらいの海水温だったところに、突如として8℃くらいの冷たい潮が流れて来ること。
ちょうど浜中町で滞在していた時にNHK北海道で特集していた「オホーツク海の大循環」の一部なのか。
オホーツクは特別な海だというのが充分に感じられた。
太平洋側と違いうねりも少なく、地形変化も多いのでカヤックフィッシングには向いている海だと思う。
北海道でカヤックフィッシングするならオホーツク海や日本海側がおすすめかも。
北海道は海の中も広大で太平洋側は沖合2キロまで漕いでも水深20mない地形変化も少ないし、水温低いのに太平洋のうねりパワーあっておっかない。
知床はカヤックでも水深100mラインまですぐにたどり着け穏やかだ。 pic.twitter.com/qvFJpQMLHR— 松本潤一郎 | ニッポン、カヤック釣り紀行🎣 (@junichiro_izu) June 20, 2021
このあと秋が近づくとカラフトマスやサケまで釣れてしまうなんて…
いるかホテルさんと組んで期間限定で出張カヤックフィッシングツアーやりましょうと話をさせてもらいました。
これは、実現させたい。
はじめてホッケを干物以外で食べたけど、こんなにクセなくバクバク食べられる魚だったんだ…!
今日キープしたホッケはソテーで食べたけど、フライや道産じゃがいもとフィッシュ&チップスなんかも素晴らしいだろうな。
こんなに美味しい魚を釣って食べられる北海道の民がうらやましい! pic.twitter.com/wwOIFZDsKm— 松本潤一郎 | ニッポン、カヤック釣り紀行🎣 (@junichiro_izu) June 21, 2021
キープしたホッケはオリーブオイルでソテーに。
本州ではほとんど干物でしか出回らないホッケだけれど、脂がのった白身の魚でいろんな料理と相性がとても良さそう。
刺身でも食べられるみたいだけれど、釣れた個体のひとつにアニサキスが居たので生食はご注意あれ!
世界自然遺産に登録された2005年にはじめてウトロに来た以来の知床半島。
その時はまだ北海道の漁村という雰囲気だったけれど、いまでは道の駅やビジターセンターもちょっとそこらの観光地とは別格なクオリティで整備されていた。
世界自然遺産の登録に関して賛否両論あったけれど、適切な利用が行われているのであれば良いことだと思う。
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浜中町へ戻る途中、知床峠を抜けて羅臼へ。
今年はシャチのスーパーポッド。羅臼沖、根室海峡に100頭近く入ってきているそうだ。
日本国内でシャチが見られるとは思ってもみなかった。
そして、海の生き物の中でもシャチがいちばん好きだ。
ホオジロサメをも襲うという最強の生物。畏怖の念を覚える。
シャチをこれほどまでに身近で見られてとても良かった。
けれど、このクルーズ船でシャチを見に行くのは、自分はもういいかな。
船でシャチを追いかけましている様に感じたし、彼らにとっても相当なストレスに感じられないのだろうか。
それを午前便、午後便と複数社が船を繰り出す。
カヤックにばかり乗っているせいか、何時間もエンジン音を聞き続けて疲れ果ててしまった。
これはクルーズ船が無くなればいいとか、このサービスが悪いと言っている訳ではなく、
自分には合わないという話。
次女のことほぎさんは旅の疲れが出て来てはいるけれど、面構えは良くなってきている気がする。
旅も終盤。
次の目的地は南富良野町のかなやま湖でレイクジギングです。
この記事を書いた人

株式会社 BASE TRES 代表
西伊豆の山を【まわす】BASE TRESのシャチョー。幼稚園を中退する輝かしい学歴からスタートし、中学はもちろん不登校。修学旅行の積立金を返してもらったお金でテントを買い、一人旅へ出掛けるようになり早々とメインストリームからドロップアウト。
17歳にはヒマラヤのトレイルを歩きはじめ、その後カラコルムやアンデスへ。南米大陸をオートバイで走りまわったあと西伊豆へ移住。ギターを弾いて飲み代を稼ぐのがライフワーク。