バビロンシステムから少しだけ距離を置く。ウッドボイラーの導入で化石燃料の消費を大幅に抑える方法。
2024.9.6 / /ATOウッドボイラー森林整備薪火料理今年の夏も暑かった…!
西伊豆地域は駿河湾から吹く海風によってそこまで高温になる地域ではなかったはずだけど、今年はGoogle天気のアプリが連日35℃以上の最高気温を表示。
5年ほど前までは夏の最高気温は31℃。特別に暑い日でも32℃ほどだった記憶なのでまさに異常な高温。
「地球沸騰化」というワードが世界中で現実になって来ている。
今年の6月はトルコ・ブルガリアに3週間ほど家族で旅をしてまわったのだけど、この地域の熱波も尋常じゃなく、隣国ギリシャでは熱中症によって1週間に6人もの観光客が亡くなった。
僕たち家族も、あまりの暑さにブルガリアの標高の高い地域にあるバンスコという町に逃げ込んだのでした。
旅先でカジノがあるとルーレットを楽しむのだけれど、今回も一人分の航空券代プラスほど勝たせてくれた。
そんな大金を掴んだことは無いのだけれど、今のところカジノで負けたことは1回しかないのでまあまあ強いのだとは思うんだ。
さて、この異常な気温上昇の話し。
二酸化炭素の排出による温室効果だったり、太陽活動が活発な極大期に入っているとかいろいろな要因が言われているけれど、ひとまず全人類が化石燃料への依存を減らす方向に動こうというのは共通認識のはず。
山や海を楽しんでもらうアウトドアツアーを軸に、伊豆の自然を感じられる宿泊施設を運営する事業を展開している自分たちができることとして、2年前からロッジモンドの給湯システムを木質バイオマスボイラーに置き換えた。
導入したのは名古屋に本社があるATOウッドボイラー。
これもまたすごい偶然で、父方の祖母の家からわずか数百mの距離にエーテーオー株式会社があり「子どもの頃にこの建物の前を走りまわってたわー」となったのです。
ここからは、実際にウッドボイラーを導入してみてどれほど変化があったのかを書いてみよう。
伊豆の観光業が1年でいちばん忙しい夏の季節。
ロッジモンドも例年、連日稼働で7月と8月の2か月間で400~500名の宿泊客の利用がある。
館内にある浴場への給湯は、ウッドボイラーを導入する前にはガス代が15万~20万ほどかかっていたけれど、今年の夏の請求はほぼ去年と同じく8,000円代に収まった。
宿泊施設にも関わらず一般家庭のガス料金よりも安い!
7月19日~8月19日といえば連日満室が続くお盆休みを入れた超繁忙期。この期間でたったこれほどのガスの消費しかしていない。
以前は月15万~20万ほどかかっていた料金はガス代が高騰するロシアとウクライナの戦争が始まる前だから、今でもガス湯沸かし器を使い続けていたらこの値段はもっと跳ね上がっていたはず。
特に地方に住んでいる人たちは都市ガスに比べると高くつくプロパンガスなので、家族が4人以上いるとひと月のガス代が20,000円を超えてくる。
20,000円×12か月=240,000円/年
一般家庭でも年間で見るとこれほどのコストがかかってしまう。
ATOウッドボイラーを入れたことにより、自分たちみたいに小規模な宿泊事業所でも年間3桁万円のコストを削減できるようになった。
ボイラーの導入コストは事業所向けの少し大きめの型番(N-500NSBⅡ)で工事費用を入れても250万円(一般家庭用サイズN-220NSBだと100万円前後)ほどで収まるので、数年で設備投資分は回収することができるし、冬期にしか使わない薪ストーブと違って1年中働いてくれるから費用対効果がとても大きい。
化石燃料をわざわざ海外から輸入し、半島の先端まで運ぶようなことをせずとも、地域の中で得られる資源を熱エネルギーとして活用できる訳であり、世界のどこかで紛争が起こるたびにエネルギー問題のあおりを受けるようなストレスからも解放される。
もちろん、燃料調達のために自分の労力や人件費がかかるかもしれないけれど、稼いだお金を知らない企業や人たちに支払うよりもよっぽど健全だと思いませんか?
(個人的には、このバビロンシステムに少しでも反抗して自立したいってのがあるけどね)
このATOウッドボイラーの大きな利点が、開口部が大きいので薪ストーブに使うような細かな薪に加工しなくても燃料として利用できること。
ある程度、乾燥した丸太であればそのままボイラーに入れるだけでゆっくりと燃えてくれるので、すぐに燃え尽きてしまう細かな薪よりも巡航運転には向いてます。
針葉樹・広葉樹を問わず、枝葉や竹や草など身の回りにあって処分に困るようなものもすべて燃料として使える。
例えば庭の草刈り後の草を干して燃やすだけでも、家族分の風呂を溜めれられるほどのお湯をつくりだすことができます。
災害が起きて断水した時も、容量が小さなサイズでも常時200リットル以上の水を蓄えているので、トイレを流すための水にも使える。
給湯は上水道からの水道圧を利用して熱交換をする仕組みなので、ポンプなどの機械の駆動部分がほとんどなく、故障する箇所がほぼ無いところも大きなポイント。
日常使いするならボイラーの維持管理にあまり気を使いたくないですからね。
遊び・楽しむ要素としては、燃え盛る木々を燃焼室の奥に押しやり、ダッチオーブンに熾火を被せればかんたんに薪火料理も楽しる。
現在、立ち上げ準備中の薪火レストランの構想を思いついたのも、このボイラーの中できる大量の熾火を毎日見ていたのがきっかけだった。
ここまでウッドボイラーの利点まで伝えてきたけど、もちろん導入に向いていない人もいます。
燃料をすべて加工した薪を買って手に入れることしかできない人には、ガス湯沸かし器や灯油ボイラーに比べてもコストが見合いません。
伐採して処分に困っている木や、剪定した枝葉を利用するとか、丸太の原木を譲ってもらえるなどの環境の人が活用しやすいかな。
逆に言えば、地方都市の郊外や田舎に住んでいるほとんどの人がやろうと思えばできる環境にあるはず。
実は細々とですが、このATOウッドボイラーの販売協力店を今年に入ってからさせてもらっています。
なぜこの記事を書いたかというと、2024年10月より全商品が約5%~15%の値上げとなるから。
ロッジモンドに来てATOウッドボイラーの稼働を実際に見て導入を考えられたり、この記事を読んで「うちにも1台!」と検討されているのであれば、9月いっぱいまでのご注文であれば現行料金で注文いただけます。
導入にあたっての相談やご質問があればこちらのこちらのフォームからお気軽にどうぞ。
自分たちがつくりだしたモノゴトを売ってゆく事業をやりたかったので、物品を仕入れて販売することはばるべくしたくないと思っていたのだけど、このATOウッドボイラーとカヤックのツアーで使用しているホビーカヤックは本当に素晴らしい製品なので販売店をやらせてもらってます。
もし僕たちから購入いただけた場合は、遊び方や楽しみ方までしっかりお伝えしていきます。
それではご検討のほどをぜひ!
この記事を書いた人
株式会社 BASE TRES 代表
西伊豆の山を【まわす】BASE TRESのシャチョー。幼稚園を中退する輝かしい学歴からスタートし、中学はもちろん不登校。修学旅行の積立金を返してもらったお金でテントを買い、一人旅へ出掛けるようになり早々とメインストリームからドロップアウト。
17歳にはヒマラヤのトレイルを歩きはじめ、その後カラコルムやアンデスへ。南米大陸をオートバイで走りまわったあと西伊豆へ移住。ギターを弾いて飲み代を稼ぐのがライフワーク。