LODGE MONDO -聞土-

gourmetおすすめグルメ情報

プロヴァンス・ド・すずき

2018.9.29 / お酒 スイーツ 山の幸 海の幸 特産品 / うずめの庭

「電車も通っていない西伊豆で、フランス料理が頂ける」って、ちょっと乙だと思いませんか?

 

LODGE MONDOより車で8分の山際の田園地帯に、
静かに佇むプロヴァンス・ド・すずきは、
バイクや自転車のツーリング途中でも気軽に立ち寄れる普段着OKなカジュアルなフランス料理のお店。

土地のもの。季節のもの。海のもの。山のもの。里のもの。
を、1つのコースで味わえるこだわりのメニュー構成がなんとも嬉しい。

この日は、前菜に頂いてみたかった里イモと地魚のテリーヌが、数量限定のため、残念ながら完売しており。
前菜のないランチコースで、スープ、メイン料理、デザート、パン、Cafe付のBコース(税込み2160円)をお願いしました。

スープは、季節のポタージュか定番スープ・ド・ポワソンから選ぶことができます。

この日のポタージュはカボチャでしたが、
季節によっては、カブ、大根、ゴボウ。春秋に登場するしいたけはファンが多いとか。

野菜は全て地のものを使われています。

魚介のうまみがギュッと凝縮された濃く深いスープ・ド・ポワソンは、舌が忘れられなくなりそうな、印象の強い逸品です。

スープと共に出されるプチパンは、
全粒粉と松崎産の黒米が練りこまれたものの2種。
どちらも外がカリっと香ばしい。

メインの魚料理は、地元の漁師さんから仕入れているという釣りもの。
1本釣りされたイサキとタイの身は、
卵白のようにふわふわで、
ブラックオリーブのソースとアクセントに散らされたシソの実が時折爽やかに香って、初秋を感じさせてくれました。

秋から猟期に入れば、
伊豆で獲れたイノシシやシカなどのジビエも、前菜やメインに登場しますが、
猟期前のこの日はまだ。
肉料理は、仔羊の煮込みを。

ジビエの登場を楽しみにされているお客さんは多いそうで、私もその一人です。

デザートも、時季それぞれで、
この日は、奥様のお母さまが栽培された地ゴマをつかったブランマンジェがありました。

今や希少価値がたかく高級品の地ゴマを採れたてのうちに丁寧に焙煎して作られたブランマンジェは、
その濃厚な香りと上品な口当たりといい、
出会えたらラッキーな贅沢なひと皿です。

他にも、かつて養蚕で栄えた松崎町が新たな特産品にと栽培をはじめた桑の葉をつかったアイスケーキなど。

土地の産物にひと手間もふた手間も加えたアレンジから、
シェフの地元愛がひしひしと伝わってきます。

お酒を楽しんでいたり、甘いものが苦手な方は、
デザートにグリエールチーズを選ぶこともできます。

最後に頂いたアールグレイの紅茶は、
静岡で栽培された紅富貴という茶葉を焙煎し、
ベルガモットの代わりに静岡らしくダイダイをブレンドしたものでした。

細部に至るまで土地のものにこだわったおもてなしは、
旅人のみならず、地元の人でも、お腹と心を満たしてくれます。

シェフお手製のドレッシングや地の果物をつかったコンフィチュールもお土産に購入することもできます。

次は、しいたけやジビエがお目見えする秋冬に来店するのが楽しみです。


フランス農家醸造直輸入ワインはじめお酒の取り揃えも豊富ですので、
予定を詰め込み過ぎない、ゆったりのんびりした西伊豆の旅に、
雨で外遊びができない予定変更の休日の昼間に、
是非ともお立ち寄り頂きたいお店です。

 

住所 静岡県賀茂郡松崎町道部103-3
TEL 0558-42-3701
定休日 火曜(祝祭日 繁忙期 営業日あり)http://provencedesuzuki.com/

この記事を書いた人

うずめの庭 uzume no niwa

両親が松崎町生まれの生粋の西伊豆原人。但し、突然変異型。
東京の美大に通いながら、アングラ、身体表現、水墨画、縄文美術に傾倒するも、のっぴきならない理由で、二度と帰るまいと思っていた故郷・西伊豆へ帰還。原始時代への憧れから、田畑を耕す暮らしをはじめると、細胞レベルでこの土地のポテンシャルに気づく。
以後、「土着といふ前衛」をスローガンに、地域の自然資源を活用した創造的な子育て環境の充実を目指す運動や、地域の課題にアートを用いてアプローチする活動などを行っている。「くゑびこ」の商品開発や、宿の運営、イベントの企画などを担当する実に多忙な4児の母。

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